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■どんな塾がよいか迷っている方へ       
 桐生のような地方都市では私立中学を受験する小学生はほとんどなく、子どもたちは比較的のびのびと育っています。このような環境で、お子さんを塾に通わせたいと考える理由は、学校の勉強をしっかりわかってほしい、そしてその結果として、高校受験で公立高校に合格してもらいたい、ということにあるでしょう。
 
 ところで、勉強の目的は高校受験でしょうか。試験があるから勉強するのでしょうか。私は違うと考えています。高校受験も定期テストも学んだことやその結果を確認するためにあるもので、さらに学ぶための参考情報なのです。
 
 塾選びを考える前に、「学ぶ」ということはどういうことなのか、一緒に考えてみませんか。少々長くなりますが、おつき合いください。
 
●学ぶということ

 子どもたちは、知りたい、学びたいという欲求をもともと持っています。「これなに?」とか「どうして?」と幼い子どもに尋ねられたことがありますね。分からなかったことが分かる、知らないことを知る喜びが学ぶことの原点で、学ぶことによってさらに分かりたいという意欲が高まります。
 
 ところが、実際には学年が上がるにつれて勉強嫌いの子どもが増えていきます。成績が優秀な中学生でも勉強は嫌いだと言います。学ぶほど学ぶ意欲が高まるはずなのに、なぜでしょうか。
 
 それは、学ぶことの喜びや感動を実感することなく次から次へと知識を詰め込まれ、学ぶことが試験や評価のための手段になっているからです。子どもたちがカレーやハンバーグを好きだといっても毎日、同じものを食べさせられたら1か月もしないうちに嫌になってしまうでしょう。

 そして、できたことではなく、できなかったことを常に点数によって指摘され、比較され、劣等意識を植えつけられます。その中で、子どもたちの多くは自信を失い勉強嫌いになるのです。結果、学ぶことが単なる受験のための勉強になってしまいます。
 
 本来、学ぶということは、それ自体が目的であり、喜びや人間的成長につながっています。学ぶということは、学習者(子ども)が中心であり、自ら発見し理解していく学習(自立学習)でなくてはならないのです。そうすることによって、子どもたちは学ぶ意欲と考える力を獲得していきます。
 
●教師の役割 
 
 自ら発見し分かる瞬間の喜びを、教師が教え込むことによって子どもから奪ってはいないでしょうか。実は、教えるのが上手だと思っている教師ほど、問題が多いといえます。授業がうまくできたと教師が思っても、そのほとんどは自己満足に過ぎないのです。
  
 教師は、子どもたちが自ら分かっていくその瞬間まで待ちながら、そこへ導く援助者(サポーター)なのです。子どもが考えたくなるような状況を作り出し、途中で投げ出さないように控えめで適切なヒントを与え、「あ、先生わかった!」という瞬間の喜びを共有する。その繰り返しが、子どもたちに自信と勇気を与え、生きる力を形成します。教師の役割は、そのサポートをすることなのです。

 もちろん、「教えないこと」が目的ではありませんから、子どもの意欲を高めるために説明することもあります。ヒントの与え方など具体的なことは別の機会に譲りたいと思います。

●どんな塾を選ぶか

 では、具体的にどんな塾を選べばいいのでしょうか。
 第一に言えることは、どの子にも向いている塾はないということです。お子さんの性格、学習状況、到達度などによって結論は変わってきます。しかし、概ね次のようなことは理解しておくべきでしょう。
 
 まず、1クラス15名以上の生徒がいて一斉授業(学校と同じような授業)を行っている大きな塾では、必ず理解できないで困っている生徒と、すでに分かっていて退屈している生徒がでてしまいます。10名以下でも、生徒の理解度や到達度に開きがある場合は、同じような状況です。
 
 したがって、一斉授業形式の場合、いかに講師が優秀かということを宣伝しなければならなくなります。しかし、先に書いたように優秀だと思っている教師ほど子どもが自ら学ぶという力を引き出すのではなく、教え込むことで満足しがちです。
 
 テストのための学力は身に付くかもしれませんが、それは本当の学力ではなく、その場限りのものです。(このような学力を剥落学力と呼んでいます)当然、子どもの自信はテスト結果に左右され実感の伴わないものになりがちです。つまり、「わかった!」という自信ではなく、「90点の自信」、他人に評価された自信なのです。
 
 さらに、受験合格者数を宣伝に使うような進学塾では、宣伝になる高校の受験生が指導の中心にならざるをえません。したがって、それ以外の生徒(たとえば学校の学習についていけないような生徒)にとっては、とてもプラスになるとは思えません。
 
 では、家庭教師や個別指導の教室はどうでしょうか。どこかでつまずいている子ども、とても順調に学習が進んでいる子ども、といろいろな子どもがいますが、一人ひとりの子どもに合わせて学習プログラムをたてられるという点では一斉授業よりはるかに条件はいいと思います。

 しかし、子どもが本当の学力を獲得し自ら学習していくようになるには、教師の子ども観や教育観が問われることになります。子ども中心の学習をサポートするのではなく、学習を押しつけるような、いわゆる「指導」しかできないのであれば、個別指導のよさはあまり発揮されないでしょう。
 
 なお、私は一斉授業のすべてを否定しているわけではありません。学習内容(単元の導入など)と学習課題によっては、一斉授業のほうがよい場合もあります。詳しくは別の機会に譲りたいと思います。
 
 大事なことは、子ども中心の学習、子どもがひとりで学習できるようになる自立学習をいかにサポートするかです。そのような点に留意している小さな学習塾が地域に必ずあると思います。塾長がすべての生徒に気を配って、学力だけではない様々な面における成長を願っている地域塾があると思います。
 
 お友達が行っているからではなく、お子さんの性格や状況にふさわしい地域塾を親子で見つけませんか。実際に教室に行き、塾長と会って話してみましょう。
 いい出会いがあることを願ってペンを置きます。
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